英ポンド/円相場は、131~132円水準まで値位置を切り上げる展開に。10月下旬から11月上旬にかけては126~130円を中心としたレンジで揉み合う展開になったが、その後は主要通貨に対して円が全面安の展開になったこともあり、対ポンドでも円安圧力が強くなっている。ポンドの独自材料が乏しいことで、円サイドの動向が相対的に注目され易い地合になっている。もっとも、今週は対ドルでの円安圧力が一服していることもあり、ポンド/円相場も特に大きな値動きは見られなかった。
7~9月期の英国内総生産(GDP)改定値が発表されたが、前期比+1.0%となっており、速報値からの修正は行われていない。2007年7~9月期以来の大幅な伸びになる。もっとも、これはオリンピック効果が大きいと見られるため、特に英経済に対する信認は高まっていない。イングランド銀行(英中央銀行)のビーン副総裁も、第4四半期にはマイナス成長になるとの見通しを示している。英経済成長は「よく見積もっても弱い」とされており、今後の景気減速が確認されれば、追加資産購入が実施される可能性が高いだろう。
もっとも、こうしたポンドに対してネガティブな動きよりも、足元では円サイドのネガティブ材料の方が目立つ状況にある。衆院の解散・総選挙後に日銀の緩和姿勢が一段と強まるとの期待感が強まる中、円売り圧力が強くなっている。このまま緩和期待のみで円売りが継続するのは難しいものの、値ごろ感から円のロングポジションを保有するリスクは著しく高くなっている。目先はポンドの下振れ局面があれば、押し目買いで対応せざるを得ない。
今後1週間の予想レンジは、130.00~133.25円。